大原孝治はドン・キホーテホールディングスの代表取締役として高い理想を掲げる経営者です。その根幹にあるものは顧客最優先主義と呼ばれているもので、単なる名前だけではなく実体を伴うものとして各店舗の運営にも活かされています。これまでにも大きな企業では同じような目標として、お客様第一主義などのような標語が用いられてきました。しかし、実際には各店舗の営業成績である数字が全てであり理想とは程遠いものでした。ドン・キホーテホールディングスは、こうした見せかけのポリシーではなく現場レベルにおいても顧客最優先主義を実践することによって日本全国へと店舗を拡大させてきた企業なのです。
大原孝治が代表に就任以降のドン・キホーテでは、特に顧客最優先主義を前面に押し出して組織改革が行われました。
これは大原孝治自身が様々な店舗の立ち上げにかかわってきたことや、それぞれの店舗を視察したことで感じ取った課題を克服するために行われた施策なのです。ドン・キホーテホールディングスは東証一部に上場し、既に大企業ではあるものの店舗の運営においてはスケールメリットをあえて放棄するような戦略を随所で行っています。本社が大量購入した商品を地域の店舗に配送して販売すれば大きな利益を生むことが分かっていても、これは決して顧客最優先主義ではなく利益だけを追求したものであり、持続的なグループ全体の発展にはつながらないということが大原の考えなのです。